トランスメディア提供アイコン01 銀山温泉の負ける建築!?

山形県の山深い谷に大正浪漫と形容される銀山温泉があります。400年の歴史を
もつ銀山温泉は現在14軒の木造三階建て旅館が川を挟んで軒を連ね、その風情は
伝建地区など保存地区には指定されていないいものの、地元の人々の高い意識に
よって伝統的な景観が守られていて情緒あふれる温泉街。

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その中にいま最も注目度の高い建築家のひとりである隈研吾さんが設計した
藤屋があり、雑誌等でその写真を見ていて、一度は訪れたいと思っていた宿。

すこし前に銀山温泉に訪れる事があり、立ち寄りました。(残念ながらこの宿に
宿泊したのではないので内部には入れず。)写真で見る新築時の白々しさは消え、
外部の木部は風雨にさらされ周辺の古い建物の風情に一歩地数居ている感が
あります。正面外壁の大半は格子戸で包まれ、館内も「簾虫籠(すむしこ)」と
呼ばれる細い竹のスクリーンで囲われた瀟洒な和空間。その繊細なディテールは
確かに美しいのですが・・・

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まともに雨や雪にさらされる外部の木部はかなり傷みも激しく、腐朽しているところも
多く見られました。特に玄関廻りの庇屋根(屋根葺きが無く、小屋組みの架構が
デザインとして露出している)などは腐って折れていたりしたので、ちょっと残念!
決してお安い宿では無いので、高い宿泊料金を出して泊まりに来たとしたら、
ちょっとな~という感じ。隈さんと言えば「弱い建築」、「負ける建築」がキャッチフレーズ
ですが(ぼくはこの考えが好きなのですが)、竣工後そんなに時間を経ていない中で、
一般的な経年劣化を越えた傷みはどうなのか?これも弱い建築?負ける建築?

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# by knaw | 2016-09-23 00:06 | ♪度々の旅

トランスメディア提供アイコン01 学生の部分イメージ模型

夏休みを利用して実務体験をするための学生のインターシップ。
今年やって来た人につくってもらったキリスト教会の玄関庇。
コンクリート造の建築ですが、新しく玄関の位置が変わるので、
その部分にスチール造+ガラス葺きで設置する庇です。
手ほどきとなるのはスケッチ図面のみで、はじめて模型を作るというには
よくできました!と言ってあげてよいと思います。
図面では伝わりにくいイメージが上手く伝わると思います。

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# by knaw | 2016-09-21 21:19 | ♪スタディ/エスキース

トランスメディア提供アイコン01 制振ダンパー装着

建築物の地震に対する対応は一般的には「耐震」という概念があって、
地震にどれだけ耐える事ができるかということ。この尺度によって、
いろんな事が語られたり、決められたりしています。もうすこし踏み込んで
みると「免震」という考えや「制震」という考えもあります。
文字通り、振動を免れる工夫や制御する工夫を取り入れることと
言って良いかも知れません。
例えばボクシングに例えたイメージで言うと「耐震」とは相手に強い
パンチをくらってもへっちゃらなタフガイのブルファイター。
「免震」や「制震」は相手のパンチをまともに受けないクレバーな
アウトボクシングをするテクニシャンということになるかもしれません。

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ある住宅では、建築主さんのご希望もあって、制震ダンパーを設置しました。
基本的にはこのダンパーによる揺れの制御に期待しなくても、構造計算上は
クリアしているのだけど、備えあれば憂いなしで、コストアップにはなるけれど、
さらに構造チェックをかけて、必要な個所に制震ダンパーを設置しています。
設置したダンパーが揺れを制御して、建て物へのダメージを軽減するの
ですね。
「免震」「制震」の技術は日々進化しているので、ひとことに制震ダンパーと
言っても、まぁ沢山の種類があります。コストもピン切り。
費用対効果を考えて、どの構法がベターなのかは判断に困ることも多いです。
今回採用したのは、上の写真のもの。30坪の小さな家に12カ所設置する
ことになりました。良く見るとどうですか?自動車の足回りにある、
ショックアブソーバーに形が似てませんか?要は同じ原理(オイル式ダンパー)
で揺れや衝撃を吸収してくれるのです。製造しているのも自動車の
ダンパーを作っているドイツのビルシュタイン製。(車好きならよく知っている
はず)壁の中に隠れてしまうのが、ちょっともったいない気がしました。


WORKS

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# by knaw | 2016-09-20 15:44 | ♪建築現場から

トランスメディア提供アイコン01 オモシロイ!土木展

「土木」という響きからは、昔からいわゆる3K(きつい、きたない、きけん)の代表格と
して、またおっさんくさい、野蛮な感じといった負のレッテルを張られてきたという
印象がぬぐえないところがあります。
実際に厳しい世界であることは間違いないこと(それはどんな職業でも同じこと)だし、
危険を伴うことだってあります。しかし、それを上回る素晴らしい成果をそこに
携わっている人たちにもたらし、その価値観を再認識でき、やりがいをもてる仕事だから
皆さん頑張って良い仕事をされている訳ですね。
なにを言っても日本の土木建築の技術力は世界一といって過言では無いです。

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東京ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHTで開催されている企画展“土木展”
はすこぶる愉しく面白い展覧会だった。市井のひとたちには中々伝わりにくことを、
平易な説明と工夫をこらしたビジュアル情報(映像・模型・実物)でたのしく、おもしろく
縁の下の力持ち的な、一般には見えにくい土木の世界を伝えています。

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展覧会ディレクターを務めたのは東京大学の土木工学科出身の建築家・西村浩さん。
土木らしいダイナミックな会場構成からカレーライスのごはんをダムに、ルーを湖に
見立てたかわいいダム模型まで大から小、全体から部分まで、実に手の込んだ
展示をしてありました。西村氏の高いディレクション能力が伺えます!
建築家でありながら長く東大の土木工学科(社会基盤工学科)で教鞭をとられた
内藤廣さんが企画協力をされているのも大きいと思います。ハードな技術だけが
先行しがちだった土木の世界に景観性やデザイン性の重要性を説いて、土木と
建築と景観デザインを繋いできたこの人たちのセンスと心意気が、この愉しい企画展を
生んだのだと思います。


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# by knaw | 2016-09-19 11:38 | ♪お気に入りあれこれ

トランスメディア提供アイコン01 “分居”という住まい方

住まい手は複数の住宅を所有しており、家族はそえぞれの住宅に分れて
暮らしたり、行ったり来たりしながら、家族ひとりひとりが自由な暮らし方を
大切にしている。
そんな住まい方もあって、一世帯一住戸は日本では基本的に満たされ、
「本宅」と「別荘」、「週末住宅」や「都心の家」と「田舎の家」など場所を変えて
日々の生活に都合のよい住居に分れて住むことが増えてきても不思議では
ない。今計画中のある住宅は家族で暮らす「本宅」と、その計画地から歩いて
数分という場所にホビーハウス(車好きな施主なので、車のための家って感じ)
も同時に計画されている。
下の計画案は週末だけを景色と環境の良い郊外で暮らすための小さな家の
提案。

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# by knaw | 2016-09-17 04:46 | ♪スタディ/エスキース

トランスメディア提供アイコン01 奈良にプリズンホテルができる!?

奈良の少年刑務所が老朽化のため、今年度内に閉鎖されることが最近分かりましたが、
今も約400人を収容するの刑務所で明治の五大監獄のひとつで現役最古。
法務省は再活用の道を探っているとのこと。保存運動が一生懸命行われてきた事が
実ったかたちです。

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再活用案としてはホテルや博物館にという意見がでているようですが、個人的には
“監獄ホテル”というのは国内では聞いた事も無いし、魅力的な響きで、その線で再活用が
進んで行ったらいいなと思います。奈良は全国でもホテル客室数ワーストだから、いい
活性剤にもなるでしょう。
旧奈良監獄として1908(明治41)年に建てられた建築で、旧司法省技官の山下啓次郎の
設計。(そのお孫さんがジャズピアニストの山下洋輔氏とうのは有名な話。)重厚なれんが
造りで、ドームを持つなどデザインを凝らした表門、集中管理しやすいよう放射状に並んだ
収容棟などがプランの特徴。

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よくあるのは外観そのままに、中味はごっそり現代的でおしゃれな空間にという
リノベーションが多いように思うけど、できれば監獄のテイストそのままに収監された
気分が味わえる様な独特の雰囲気を活かしたホテルに生まれ変わったら・・・
その中プリズンバーで山下洋輔さんの生演奏を聴く事ができるなんていう空間ができたら・・・
泊まってみたいかな?


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# by knaw | 2016-09-16 22:42 | ♪不易流行のデザイン

トランスメディア提供アイコン01 大名古屋威風堂々

仕事の打合せで愛知県庁へたびたび行く。行く先は別の庁舎なのですが、
名古屋駅から地下鉄に乗り換え最寄り駅を降りて地上へでると、名古屋城の傍に
鎮座する帝冠様式の愛知県庁本庁舎は威風堂々とお出迎えしてくれます。
茶色のレンガタイル壁面の中央頂部に名古屋城天守閣かと見間違えるような
ご立派な屋根が乗っかっています。いささか不釣り合いとの感じもありますが、
まぁ名古屋っぽいといえば名古屋っぽい。

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道路を挟んですぐ左隣にはこんどは名古屋市庁舎。こちらも立派な様式建築。
中央の高い塔屋は時計台になっていてやや大陸的な屋根形に思える。
県庁のほうが古いのかと思いきや、昭和13年完成で、昭和8年完成の
市庁舎より5歳若い。
平成26年にそろって国の重要文化財(建造物)に指定されて、仲良く並ぶさまは
まるで老夫婦のよう。


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# by knaw | 2016-09-15 01:11 | ♪お気に入りあれこれ

トランスメディア提供アイコン01 ロの字平面の二世帯住居

L字平面の親世帯と子世帯のすまいがカギカッコのように中庭を内包しながら
対峙する二世帯住居の提案プラン。

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親世帯は平屋、客間としての和室6帖は子世帯も利用する事を想定。
親スペースは寝室とダイニングリビング+畳コーナーという最小スペースに留める。
玄関も水廻りも共用することで床面積を押えています。
子世帯のダイニングリビングは中庭に面する。吹抜けと一体となったリビング階段
の上部からもハイサイドの光が差し込むと共にドラフト効果で空気が滞留しない
ようにしている。2階は個室スペース、お兄ちゃんの部屋は独立だが、双子の娘の
スペースはふたりで共有。夫婦寝室の手前に前室を兼ねたWICにするのは
我が事務所の定番のひとつ。こうすることでプライバシー性を高く保つ。


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# by knaw | 2016-09-11 21:20 | ♪スタディ/エスキース

トランスメディア提供アイコン01 敷地調査を他人まかせにしない

新しい建築計画が始まると、先ずは建築敷地に出掛けてゆく。
実際にその場所に立って見て、周辺の環境がどうなっているのか、
お隣の家の様子はどんな感じか、敷地と道路の関係はどうか、などなど
敷地をよく見て、良く知っておくことは最低条件。

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では、実際にどんなことを見ているか、人(設計者)によって多少違いはあれど、
大体同じではないか?
前面道路の幅、接道長さ、敷地の高低差、周囲との高低差、隣家との距離、
隣家の窓や出入り口の位置、隣家の洗濯物はどこに干してあるか、電柱などの
位置、マンホールや水路の位置、地域のごみ集積所の場所、道路の交通量、
最寄りの駅やバス停の方向と距離感、学校やスーパーの方向、などなど。
そんな具体的なことから、風はどっちから吹いているか、日差しの入り方はどうか、
周りにはどんな景色がひろがっているかといったことから、北緯・東経、標高、
もちろん方位の確認。
あとは役所へ行って法的なチェックやインフラ整備の状況など・・・
どんな小さな仕事でも、半日では終わらない。一日仕事なのである。


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# by knaw | 2016-09-10 00:12 | ♪建築現場から

トランスメディア提供アイコン01 エレベーターの通る道

ある教会でバリアフリーの工事、進行中。
予算や工期など厳しい条件のもと現場サイドは奮闘頂いています。
エレベーターを設置する部分の床スラブが撤去され、
ピットが掘られ、ここをエレベーターが上下するんだという、
昇降路部分が顕わになってきました。

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いまは周囲の構造体がむき出しになった状態。これから、
撤去した部分の補強、耐震チェックによる補強などを行い、
エレベーターを取り付ける事になります。
実はエレベーターを設置する建てものの仕事は久しぶり。
今回はコンパクトタイプのエレベーターで取付方法も仕様も
従来の物とは随分違う。こんな狭小スペースで納まっちゃうのかと
言う感じです。


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# by knaw | 2016-09-09 00:48 | ♪建築現場から