奈良県の一級建築士事務所 (建築設計事務所) 中尾克治建築設計室のブログ 建築設計監理・家具デザイン・庭園デザイン


by knaw
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旅先のゲストルーム14

高知の山間を奥へ奥へと進んでいくと土佐山というところがある。
「オーベルジュ土佐山」はその山間の渓谷に面して建つ小さな宿。
12の客間とスィートにあたるヴィラが4棟。
杉、桧、土佐和紙、土佐漆喰、この土地で生まれた自然の素材を
活かした瀟洒で落ち着いた宿だ。設計は地元高知の“土佐派”の
建築家・細木茂氏とのこと。
雑誌だったかのかテレビだったかのかは定かでないが、この小さな
ホテルが紹介されているのを見ていわゆる一目惚れ❤
ぜひぜひ泊ってみた~いということで、はるばる高知の山奥まで
ここに泊るためだけに行った。スケッチの日付から2001/12/21金曜日
であったことが判る。
この日は確か冬至だったはず。到着した時はすっかり陽も落ち
薄ら暗かったこと、温泉である浴場はゆず風呂だったことは鮮明に
憶えている。
c0175075_21485060.jpg

「ここに泊るためだけに・・」と言ったが、決して大げさな話ではなく
本当にこの空間と周囲の自然だけを堪能するための宿。客室には
TVなんかは無くバング&オルフセンのオーディオが置かれBGMの
CDを貸し出してくれる。
あとは何にも無い、何をするわけでも無い、ただこの場所に身をおいて
いるだけ。時間が止まったような空間。贅沢だ!
(ヒトメボレハマチガイデハナカッタ)
建築は土佐派の手法をベースとし木と鉄とコンクリートのハイブリット構造。
ロビー、スパ、客室、ヴィラという風に用途ごとに分棟しヴォリュームを抑え
周囲の地形に馴染ませ自然と一体化させている。ヒューマンなスケールに加え、
明確な軸線を持ち居場所を確立させながら谷川の水を敷地内に呼び込み
潤いと動きのある配置計画。
建築家に加え、グラフィックデザイナー・坂東孝明氏、インテリアデザイナー・
小坂博信氏、グラスアート作家・辻正昭氏、そして女流書家・沢田明子氏など
さまざまなジャンルのアーティストの協同により生まれた珠玉の空間。
とりわけ沢田明子さんの書には心惹かれた。なんともいえない独特な書体
なんです!
by knaw | 2010-03-10 21:49 | ♪旅先のゲストルーム