奈良県の一級建築士事務所 (建築設計事務所) 中尾克治建築設計室のブログ 建築設計監理・家具デザイン・庭園デザイン


by knaw
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補足解説・「和」を象徴する引戸文化

「和」を象徴する引戸文化 の補足
日用の住宅考WEBマガジン“Daddy's athome”

*1 日本の伝統建築は常に豊かな軒内空間をもっていました。そこには
   内外の融合調和という共通の性格があり広縁と呼ばれるその中間領域は
   流動する空気と光の陰影に彩られたフィルターとして、たえず内と外の
   繊細で有機的な関係を意識させています。

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*2 旧猪俣邸は故・吉田五十八氏の設計によるもので、1962年8月に竣工した
   木造平屋(一部RC)の武家屋敷風の趣がある数奇屋建築である。
   玄関ホールから入ったメインの居間は2間半の間口が全開できる木製建具が
   設えてあります。居間の北側には小さいながら中庭も配されており、心地
   よい風が流れる工夫が見られます。2間半の間口をそれぞれ2枚づつの雨戸、
   網戸、ガラス戸、障子戸で構成され、回遊式の日本庭園と居間を有機的に
   繋いだり閉じたりできる仕組みです。平屋とはいえ、さすがに2間半を
   飛ばした開口幅は実は鉄骨により補強され瓦屋根の荷重を受けることに
   なっています。その他にも工夫を凝らした建具の造作により開放的な空間が
   作られ、吉田五十八風近代数奇屋住宅のエッセンスが随所に見られるのです。
   現在は主が亡くなられ「貴重な文化財として末永く残したい」という遺族の
   意向から、トラスト運動により成城五丁目猪俣庭園として一般に公開されて
   います。

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*3 横内敏人先生による住宅
   低く深い軒内空間とほぼ全面の開口部は可動部分と嵌め殺し部分に分かれて
   います。床高さを低く抑えているので庭と室内床面の連続性がより一層強い
   ものになります。ヒューマンスケールの寸法設定が居心地のよさにつながる
   のです。

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*4 永田昌民氏の住宅(中野の家)
   どの部屋からも庭を眺められるようにというリクエストに応えて、少し贅沢
   なことをさせてもらった・・・と設計者の永田氏は著書で述べています。
   庭を眺めるという一点では余計なものは無いほうが良いので、構造体である
   柱以外は見えないように意図されています。季節の移り変わりや時間の流れに
   応じて使い分ける事ができる建具の重ね使いは生活を豊かなものにして
   くれるはずです。
by knaw | 2010-06-08 10:11 | ♪お気に入りあれこれ