奈良県の一級建築士事務所 (建築設計事務所) 中尾克治建築設計室のブログ 建築設計監理・家具デザイン・庭園デザイン


by knaw
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近頃の基礎事情(戸建住宅編)

ここ数年の住宅の基礎配筋の写真を並べてみましたが、ほとんど(というか、
ほぼ100%)ベタ基礎であります。(最後に布基礎で設計したのは5年近く前かな?)
鉄筋の仕様にいろいろあるのはその都度、構造計算によって違うから。
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性能保証、瑕疵担保、長期優良などいろんな施策があってか布基礎よりベタのほうが
安心とか丈夫だといったイメージがすっかり世間一般に浸透している様です。
(いろんなチェックも通りやすく、建築主や住宅購入者もベタ基礎のほうがグレード
が高いと思いこんでいるから関係者はあっさり簡単に事が運ぶ方へ流れている。)
実際には一長一短があって、その都度地盤の状態を調べて上に建つ建物との関係を
精査し基礎形状を選定するのが一番望ましい。(決して布基礎などが劣っている訳
では無いのです・・・)
第三者監理や検査員業務なんかで他所様の設計した住宅の現場を見に行くことも
しばしばあって、近頃は地盤調査を行わないと建築確認も通らないような時代ですが、
調査結果は地盤改良の必要性の有無を判断する材料にしか使わず、基礎形状は
最初っからベタ基礎で設計しています!とうのが圧倒的多数。そして他所様の物件
でも100%ベタ基礎である。
(布基礎など他の基礎形状はどこへ行った?玉石基礎に直接柱を立て足固めや差鴨居で
軸組を組むような伝統工法なんていうともう歴史遺産で天然記念物だ!)
配筋事情も複雑で構造計算をするとかなりの鉄筋量になったりすることもある。
ここまで必要か?と思うくらいで、実際の現場では定着や継手といった鉄筋と鉄筋が
折り重なるところなんか鉄・鉄・鉄といった感じでアキ(鉄筋と鉄筋のすきまの事)
もまともに確保しづらい状態になる。
計算上や机上の空論にならぬように注意が必要なのです。弱い基礎ではもちろんダメ
ですが、基礎形状や配筋も可能な限りシンプルでスマートでかつ強靭でという様に
したいものです。
それにはやっぱりやみくもな構造計算ではなく、明確で系統だった構造計画と計算に
よる選定が必要であり、それには時間もかかり費用も嵩むということ。
だからやっぱり設計監理料というのはどうしても高くつくものなのです。
by knaw | 2010-09-30 21:36 | ♪建築現場から