奈良県の一級建築士事務所 (建築設計事務所) 中尾克治建築設計室のブログ 建築設計監理・家具デザイン・庭園デザイン


by knaw
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窓の向こうには何が見える

桑名の家は高台にあって東に向いたキッチンの窓からは天気が良ければ
軸線上に名古屋駅前の高層ビル群まで見える。
この窓は設計段階では木製の片引き戸で防寒のガラス戸・網戸・通風できる
ガラリの鎧戸の三枚重ねの隠し框引込み戸にする予定だったが、予算の
都合という現実味たっぷりの理由でアルミ製に変わりました。
窓の向こうには何が見える_c0175075_1222927.jpg

        (ガラス戸が閉まっていてもガラス面しか見えません!)

窓の向こうには何が見える_c0175075_122378.jpg

よくある引き違いのアルミサッシの片方を殺して(コロスってちょっと、
ぶっそうですが、建築の世界ではよく使う言い回しなんです。「嵌め殺しの
ガラス」とか「殺しの型枠」とか、他にも「盗みをとる」なんて言うことも
あります。殺すとか盗むとか他業界ではあまり使わないのでしょうね。
いやいや、野球界では言っているじゃないですか。「併殺」とか「二死満塁」
とか「盗塁」とか殺したり死んだり盗んだり。あれと一緒です!ぜんぜん
違うかな?・・・とんでもなく話が脱線しました。元に戻して)

引き違いアルミサッシの片方を殺すというのは片方の建具を使わず、固定
してしまっているのです。もう片方の建具だけを片引き戸の様に開閉できる
ように設えて、アルミの枠が見えないようにしています。窓枠の中は
ガラス面だけが見えているように。こうするとガラス戸を開けている時も
閉めている時も外の景色の見え方に差異はないですから、建具の存在が
気になりません。ちょっと開け閉めがし辛いかも知れませんが、こうして
良かったと思っています。


窓の向こうには何が見える_c0175075_18381097.jpg
by knaw | 2011-02-01 01:26 | ♪建築現場から