奈良県の一級建築士事務所 (建築設計事務所) 中尾克治建築設計室のブログ 建築設計監理・家具デザイン・庭園デザイン


by knaw
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保育園の空間も様々

同じ時期に並行してふたつの保育園の計画に携わらせて頂いた事は前にも記しましたが、
保育園という用途の建築物で規模もほぼ同じだったのですが、ずいぶんとテイストの
違う空間になっています。それはある意味、当たり前の事でクライアントの要望が違うし
その保育園の運営方針というか経営方針でもあり、保育に対する考えや対応が少しずつ
違うのですね。同じ事柄に対しても建築物を作る側にとっては、まったく逆の対処に
なることだってありました。

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片方の保育園では体育館のような大空間にしたい。その大空間を全開できる建具や移動家具
によって閉じたり開いたりして、大きい部屋でも小さく仕切って小部屋としても利用できる
フレックスなスペースが望まれていましたが、もう片方では住宅のリビングスペースのような
アットホームな空間にしたいというイメージが強かったようです。コンパクトな保育室が
年齢に合わせて配置されています。

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かたや子どもが操作しやすいように、あるいはO157やインフルエンザほか感染の率を
少なくする様に水廻りの水栓はレバーハンドルにしたりオート水栓を採用したり、
タオルを吊るさずエアータオル(手をかざすとビューンと温風がでてくるやつ)を
設置したりしています。かたや子どもたちにいろいろな操作を実際に体感させ、手先を
動かし頭で考え工夫できる力を養うためもあってか、レバーハンドルを避け昔ながらの
くるくる回す水栓金具がついています。プールや足洗いのシャワーも良かれと思い
プッシュボタンで一定時間水が出た後、自動で止まる水栓金具を設定してありましたが、
ダメ出しを受けて変更です。このように園の経営者あるいは運営者、ひとりひとりの
保育士さんによって意見や要望もずいぶん違います。どんな園舎、園庭、保育室が
使いやすくて、保育する保育士にとっても保育される子どもたちにとっても良い空間
なのかは一概に答えは出ません。そして小さな子どもたちは「こうしてほしい!
このほうがいい!」という事が言えないので、もひとつ難しいですね。意見を言えない
子どもの思いみたいなものを如何に汲みとれているかがとても重要なのに・・・

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そうそう空調システムなんかも随分違った方式で大空間の園舎は床下から温風や冷風が
吹いて来てまた床下に戻って行くというシステムになっています。天井裏の熱くなった
空気を夏場はダクトを通して小屋裏から排出し、冬場は同じくダクトを通って床下に
あったかい空気を送り込んで冷え込みを抑えるということもやっているんですね。
素足で歩いても木の床板が冷たく感じません。もう一方の園舎は床暖房を採用して
います。(全室ではありませんが)
このようにテイストの違う保育園ですが、どちらも関係者の方々は子どもたちの事を
とても大事に考えておられます。どちらもおおらかにのびやかにスクスク元気な子ども
達が育ってくれる事を祈念しています。




ポテトの時間

雨水利用講演会

竜田川いいとこさがしツアー

KATSURAGI BLACK BOX


近代庭園の先覚者・七代目植治と無鄰菴庭園



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日用の住宅考WEBマガジン“Daddy's athome”
by knaw | 2011-04-01 17:41 | ♪不易流行のデザイン