奈良県の一級建築士事務所 (建築設計事務所) 中尾克治建築設計室のブログ 建築設計監理・家具デザイン・庭園デザイン


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日本人の原風景には水車が廻っている!?

昨年の原発事故以降、持続再生可能エネルギーとして
自然エネルギーの活用促進がもてはやされています。
太陽光発電はその最たるもので、建築計画の中でも
必ずと言っていいほど、計画段階で話題にのぼり、比較検討を
繰り返し費用対効果を考慮し採用するか否か規模と仕様を
どうするかをシュミレーションし、決定するという過程をふみます。
他のエネルギー利用も同じこと。
太陽光の次にポピュラーなのは風力ですかね。
これも規模が大きいものほど、騒音や振動のトラブルもあるようです。

さて、小水力発電というのはどうでしょうか。
まだまだマイノリティーな部類でしょうかね。
水力発電というと「ダム」を連想しますが、前に“小さい”とつくと、
大規模なダムやその他の構造物を設置し発電所をつくるというのでは
無く、簡単なもので言えば、小川や水路のなかに水車を設置して、
その水車がクルクル廻る力を利用して発電しようというもの。
個々の発電量は小さいけれど、一定の水量があれば、あちこちに
設置することが可能で、意外と可能性が高いという論もあります。

奈良県内のある川に、これを設置しようという計画があり、ある程度
候補地も絞って、計画も進んでいます。
でも河川というのは公共のもので、洪水時の災害対策のことなども
あり、農業用の水利にも利用される、いろんなしがらみが絡み合って
そう簡単に前向いて進んでいく物でも無い様です。

日本人の原風景には水車が廻っている!?_c0175075_9545082.jpg


まだ寒い時期に視察に行った候補地。ここにらせん状のドリルのような
形状のドイツ製の水車を設置する計画です。地元の支持もあるので、
前向きに進めばいいんですがね。

そもそも日本は多雨の風土。昔から水の流れるところ、あちこちに
水車小屋があって、粉を挽いたり、脱穀したりというのは日常茶飯。
つまり、日本人の原風景には水車があるんだと思います。
大規模な風車が建ち並ぶ風景を景観破壊というむきもありますが、
小さい水車なら、各町村にひとつやふたつあって、発電量を少しでも
カバー出来たら、化石燃料ばかりに頼らなくてもいいですよね。
郷愁をさそうようなレトロデザインの水車や、はたまた先進的な
アバンギャルドな水車や様々な小水力発電設備の水車が日本各地で
クルクルクルクル廻っている風景は決して悪いものではないかも
しれません。

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by knaw | 2012-05-29 10:05 | ♪環境造形デザイン