足かけ3年
2012年 07月 11日
おととしの夏、当時我家にやってきた盲導犬パピーのフェル君を
つれて軽井沢に避暑に行った時、追分にある平岡篤頼文庫に寄ったの
ですが、その時文庫にある書庫で娘が「自分の部屋もこんなふうに壁面
全部が本棚になっているようにしてほしい!」というので、よっしゃ!
がんばって勉強するんやったら作ったろという事で約束したのですが、
そのままズルズルと・・・
いつになったら本棚作ってくれるん?と娘に詰め寄られ、もうちょっと
待ってくれと言いつつ、一年が過ぎ、二年になろうとしていましたが、
ご覧の通り、収納棚が出来ました。極力、安くて簡単に、そして
必要とあらばいつでも簡易に撤去できるようにというディテールと構造。
ふたりの娘の部屋の真ん中でカーテンだけ吊るしてエリア分けしてた所に
衝立の様にオープン棚をしつらえた訳です。カーテンの向こうの妹のスペース
からでも使おうと思うえば使える。
子どもの部屋なんて、こんな程度で充分。
よく、住宅の計画で「我家は子どもが3人だから、それぞれ同条件の個室を
3部屋ほしい。そして南に面した陽当りがよくて・・・etc」なんてリクエストが
ありますが、そんな必要は無いと思うのですね。
日中、健全な子どもたちは陽当たりの良い部屋でのんびりしてませんよ。
勉強するにしたってポカポカ陽当たりが良すぎると、ついウトウトしてしまいます。
家を建てる時、そんな部屋を子どもに与えたという事で親としての
責任を果たした気分になっているとツーレツに批判したのは、在りし日の
建築家・宮脇檀さん。まさに宮脇さんのおっしゃるとうりなのだ。
平岡文庫にあった書架はこんな簡易なものじゃ無くて、シナランバーコアの
棚板で小口は桧の大手貼りで、棚受にはスガツネのエレメントシステムを
使用してあった。決して、高級では無いけれど、品よくシャープでかっこ良い
書架が整然と並んでましたね。なんてったてその書庫を設計したのは
内藤廣さんだから。内藤さんの事務所の設計で最も小さい建築だそうです。(8坪!)
素敵な建築だから、追分に行かれたら、ぜひ立ち寄られることをお薦めしときます。
平岡篤頼文庫からは毎年、年賀やイベントがあるごとに案内を送って
下さいます。我家の娘の書架が完成した日に偶然にも素敵な絵葉書が
届いたのでした。
雑木林の緑の中でベンガラ色のステイン塗装の小さな書庫が生えています。
最後にちょっとネタばらしというか、真相を白状というか・・・
いかにも父親が可愛い娘のために一生懸命、日用大工をやったような体の
内容ですが、実のところはなかなか、このまかない仕事をやらない僕を見て、
孫娘をフビンに思ったおじいちゃんがホームセンターで材料を買ってきて
つくってやろうと思った矢先、病に倒れ、その後も作業場で埃がかぶっていた
材料を邪魔になるからと、おじさんに当たる大工さんが手伝ってくれて、
やっと日の目を見たというのが本当のところ。
娘いわく、「結局、おとうさんはほとんど何もしてないやん!」
まさに子どものおっしゃるとおりなのだ。
桜並木の家[信貴山の棲居]
平屋の暮らしを愉しむ
“天然蒸留水=雨”について考えよう
生物多様性の生活空間・場所~田園住宅のススメ
WORKS
日用の住宅考WEBマガジン“Daddy's athome”
つれて軽井沢に避暑に行った時、追分にある平岡篤頼文庫に寄ったの
ですが、その時文庫にある書庫で娘が「自分の部屋もこんなふうに壁面
全部が本棚になっているようにしてほしい!」というので、よっしゃ!
がんばって勉強するんやったら作ったろという事で約束したのですが、
そのままズルズルと・・・
いつになったら本棚作ってくれるん?と娘に詰め寄られ、もうちょっと
待ってくれと言いつつ、一年が過ぎ、二年になろうとしていましたが、
ご覧の通り、収納棚が出来ました。極力、安くて簡単に、そして
必要とあらばいつでも簡易に撤去できるようにというディテールと構造。
ふたりの娘の部屋の真ん中でカーテンだけ吊るしてエリア分けしてた所に
衝立の様にオープン棚をしつらえた訳です。カーテンの向こうの妹のスペース
からでも使おうと思うえば使える。
子どもの部屋なんて、こんな程度で充分。
よく、住宅の計画で「我家は子どもが3人だから、それぞれ同条件の個室を
3部屋ほしい。そして南に面した陽当りがよくて・・・etc」なんてリクエストが
ありますが、そんな必要は無いと思うのですね。
日中、健全な子どもたちは陽当たりの良い部屋でのんびりしてませんよ。
勉強するにしたってポカポカ陽当たりが良すぎると、ついウトウトしてしまいます。
家を建てる時、そんな部屋を子どもに与えたという事で親としての
責任を果たした気分になっているとツーレツに批判したのは、在りし日の
建築家・宮脇檀さん。まさに宮脇さんのおっしゃるとうりなのだ。
平岡文庫にあった書架はこんな簡易なものじゃ無くて、シナランバーコアの
棚板で小口は桧の大手貼りで、棚受にはスガツネのエレメントシステムを
使用してあった。決して、高級では無いけれど、品よくシャープでかっこ良い
書架が整然と並んでましたね。なんてったてその書庫を設計したのは
内藤廣さんだから。内藤さんの事務所の設計で最も小さい建築だそうです。(8坪!)
素敵な建築だから、追分に行かれたら、ぜひ立ち寄られることをお薦めしときます。
平岡篤頼文庫からは毎年、年賀やイベントがあるごとに案内を送って
下さいます。我家の娘の書架が完成した日に偶然にも素敵な絵葉書が
届いたのでした。
雑木林の緑の中でベンガラ色のステイン塗装の小さな書庫が生えています。
最後にちょっとネタばらしというか、真相を白状というか・・・
いかにも父親が可愛い娘のために一生懸命、日用大工をやったような体の
内容ですが、実のところはなかなか、このまかない仕事をやらない僕を見て、
孫娘をフビンに思ったおじいちゃんがホームセンターで材料を買ってきて
つくってやろうと思った矢先、病に倒れ、その後も作業場で埃がかぶっていた
材料を邪魔になるからと、おじさんに当たる大工さんが手伝ってくれて、
やっと日の目を見たというのが本当のところ。
娘いわく、「結局、おとうさんはほとんど何もしてないやん!」
まさに子どものおっしゃるとおりなのだ。
桜並木の家[信貴山の棲居]
平屋の暮らしを愉しむ
“天然蒸留水=雨”について考えよう
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WORKS
日用の住宅考WEBマガジン“Daddy's athome”
by knaw
| 2012-07-11 19:17
| ♪家事は愉しい!