奈良県の一級建築士事務所 (建築設計事務所) 中尾克治建築設計室のブログ 建築設計監理・家具デザイン・庭園デザイン


by knaw
カレンダー

カテゴリ:♪度々の旅( 59 )

山形県の山深い谷に大正浪漫と形容される銀山温泉があります。400年の歴史を
もつ銀山温泉は現在14軒の木造三階建て旅館が川を挟んで軒を連ね、その風情は
伝建地区など保存地区には指定されていないいものの、地元の人々の高い意識に
よって伝統的な景観が守られていて情緒あふれる温泉街。

c0175075_23405042.jpg

その中にいま最も注目度の高い建築家のひとりである隈研吾さんが設計した
藤屋があり、雑誌等でその写真を見ていて、一度は訪れたいと思っていた宿。

すこし前に銀山温泉に訪れる事があり、立ち寄りました。(残念ながらこの宿に
宿泊したのではないので内部には入れず。)写真で見る新築時の白々しさは消え、
外部の木部は風雨にさらされ周辺の古い建物の風情に一歩地数居ている感が
あります。正面外壁の大半は格子戸で包まれ、館内も「簾虫籠(すむしこ)」と
呼ばれる細い竹のスクリーンで囲われた瀟洒な和空間。その繊細なディテールは
確かに美しいのですが・・・

c0175075_23511769.jpg
c0175075_23512631.jpg

まともに雨や雪にさらされる外部の木部はかなり傷みも激しく、腐朽しているところも
多く見られました。特に玄関廻りの庇屋根(屋根葺きが無く、小屋組みの架構が
デザインとして露出している)などは腐って折れていたりしたので、ちょっと残念!
決してお安い宿では無いので、高い宿泊料金を出して泊まりに来たとしたら、
ちょっとな~という感じ。隈さんと言えば「弱い建築」、「負ける建築」がキャッチフレーズ
ですが(ぼくはこの考えが好きなのですが)、竣工後そんなに時間を経ていない中で、
一般的な経年劣化を越えた傷みはどうなのか?これも弱い建築?負ける建築?

c0175075_045793.jpg



WORKS

c0175075_1827777.jpg


日用の住宅考WEBマガジン“Daddy's athome”
by knaw | 2016-09-23 00:06 | ♪度々の旅
以前、尾道方面へ行った時、宿泊しようと思った(結局は別にもっと
いい宿を見つけたら泊まらなかったのだけど)ホテルの敷地に
建っていた建てもの。この存在を知らなかったからなんの建てもの
なんだろうと思って見に行ったら、それはガラス張りのチャペル。
c0175075_2154636.jpg


ガラス張りのチャペルなんて、たいして珍しくも無いのかも知れないけど
その周りに2重のらせん階段(というかスロープというか)が絡み合って、
この絡み合うらせんが上部でリボンのようにひとつに結んで、自立する
構造になっているそうである。もちろんらせん階段の頂部は瀬戸内海を
見下ろす展望台になっている。ふたつのらせん(新郎と新婦)が寄り添うように
輪になって、ひとつに結びあうという構成がベタですが、それでもロマンティックで
美しい。思いがけずいい建築に出会った!
設計者はNAP建築設計事務所の中村拓志さん。隈研吾事務所出身の
若い建築家だ。


WORKS

c0175075_1827777.jpg


日用の住宅考WEBマガジン“Daddy's athome”
by knaw | 2016-09-08 00:10 | ♪度々の旅

閑谷の石塀

建築士会の研修見学で岡山方面へいってました。
2年ぶりに閑谷学校へも訪れる事になりましたが、相変わらずの
石塀の存在感の凄いこと。
この石塀は学校の校地を取り囲むようにあり、まさしく聖域を縁取る
結界になっているのですが、これ単体が彫刻家による作品が横たわっている
かの様です。

c0175075_20352458.jpg


閑谷学校について初めて知ったのは25年ほど前、建築家・宮脇檀さんが
上梓された「度々の旅」というPHPから出版された宮脇さんの建築旅の
エッセイ本で。
それ以来、何度か訪れましたが、確か今回は5回目?
初めて行った時に比べると、随分観光地してきて、道路や駐車場も整備され、
閑かな谷あいの修道院のような風情はすこしばかり薄れてきたようにも
思うけれど、それでも圧倒的な重量感の石塀や備前瓦の豪壮な建物の
威容は昔のまま。
延長765メートルもあり、敷地の周囲を大蛇の様に横たわっている石塀は
高さ≒1.5m、厚さ≒1.8mほどで瀬山石と呼ばれる水成岩で精密に
積み上げられています。大きい石ばかりを組み合わせて積み上げているのでは
なくて、内部は同じ石の割栗石(ちいさく砕いた石)を充填させ、周囲を
大きい石で張り巡らせているそうです。屋根の瓦もそうですが、全体的に
朝鮮系の大陸のニオイが感じ取れるのです。

WORKS

c0175075_1827777.jpg


日用の住宅考WEBマガジン“Daddy's athome”
by knaw | 2016-09-07 20:57 | ♪度々の旅
信州は安曇野は自然豊かで時間がゆっくり流れている好きな場所です。
何度も訪れていますが、安曇野アートラインと呼ばれる美術館や博物館が
あちらこちらに点在してるのです。
今日はその中のひとつ、安曇野の中心を流れる高瀬川沿いから西へ
森の中へ入って行くとペンション街のはずれに佇む黒い板貼りの箱が
見えてきます。

c0175075_19563165.jpg

これはmuseum cafe BANANA MOONという小さな美術館。
大阪出身の画家・イラストレーター成瀬政博さんの美術館。
週刊新潮の表紙絵を連載している事で有名。実兄はクリエーター横尾忠則と
いうから、大変はゲージツブラザーである。

c0175075_204379.jpg
c0175075_2041729.jpg
c0175075_204314.jpg

とっても小さな美術館で黒い外観とはうってかわって、中はホワイトキューブ。
白い壁と天井に包まれた展示室とカフェコーナー、ちょっとしたロフト空間は
ミュージアムグッズが陳列されている。
なにって無いけど、とても豊かな空間に仕上っていて居心地がいい。
500円の入館料でドリンクが付いてきて、ついつい長居してしまうのである。
(ドリンクはバナナジュースがオススメ!)


WORKS

c0175075_1827777.jpg


日用の住宅考WEBマガジン“Daddy's athome”
by knaw | 2016-08-23 00:30 | ♪度々の旅
先日、用あって静岡~箱根あたりに行きましたが、世界遺産になった富士山!
やっぱり、いつ見てもイイ!富士山は。
好天に恵まれどこからもよく眺められたのです。

c0175075_19173932.jpg

c0175075_19181815.jpg
c0175075_19183441.jpg
c0175075_19184857.jpg


WORKS

c0175075_1827777.jpg
by knaw | 2016-08-16 19:21 | ♪度々の旅

旧万世橋駅

万世橋ってどこ?
関西に居るぼくらではあまり馴染みがない名前。
ところがここはひと昔前国鉄中央線のターミナル駅として栄えた場所で、
東京駅より2年も前に開業したのが万世橋駅で駅舎の設計者は
東京駅とおなじ辰野金吾というから驚き!
東京駅と同じような赤レンガの駅舎だったそう。
場所は現在の中央線の神田駅とお茶の水駅のちょうど中間あたり。
1923年の関東大震災で初代駅舎が焼失したあと、簡易駅舎が再建され
使用されていたが1943年に駅としての機能が停止し、その後は駅舎が
あった場所は交通博物館になり、線路の高架は廃墟の様に遺されていた
が、2006年の交通博物館閉館に伴い再開発されたJR神田万世橋ビルと
一体的に整備された。

c0175075_21195150.jpg


古いコンクリートの高架の下の防空壕のような空間を活用して洒落た
店舗が並ぶ商業施設に変身しています。
どこか古代遺跡のような力強さを感じさせる不思議な場所でした。


c0175075_21244546.jpg



WORKS

c0175075_1827777.jpg







日用の住宅考WEBマガジン“Daddy's athome”
by knaw | 2014-03-17 21:29 | ♪度々の旅

舞鶴の赤レンガ

用があって先日、舞鶴に行った時に随分待ち時間が有ったので赤パ~をウロウロ。
赤パ~っていうのは舞鶴赤レンガパークの事を略してこういうらしくて随分前から
公開されていた赤れんが博物館や舞鶴市制記念館の他にも3棟、修復リノベーション
されてイベントホールや展示ホール、工房などに活用されていました。
人間の生活の身近にある土を使い、天日干しや焼成で造られるレンガは風雪に
耐え経年を重ねるごとに味わい深い風合いになって行きます。英語には
Patina(パティーナ)という語があり、古色、古趣や古錆あるいは緑青などと
訳されますが、赤レンガの倉庫群はそうした古びた美しさと共に港町らしい
エキゾチックな雰囲気も醸し出しています。(再生させる折にちょっと綺麗に
し過ぎている感も有りますが・・・)

c0175075_22314389.jpg
c0175075_2232341.jpg
c0175075_2232344.jpg
c0175075_22322426.jpg
c0175075_22323371.jpg
c0175075_22325185.jpg
c0175075_22325327.jpg

他にもまだ再生されていない現存する倉庫群も含めて12棟の赤レンガ倉庫が
舞鶴の歴史的建造物として有り、そのうち8棟が国の重要文化財に指定されている
との事。旧海軍の軍事用倉庫がほとんどで明治期の築造が多い。本格的な
鉄骨レンガ造の建物としては最古級のものばかり。見事な近代化遺産ですね。


HELP ただいま募集中!


奈良の近代化遺産展⇒橿原イオンモール会場が2月日から2月24日まで開催されています!


奈良が生んだ世界的デザイナー・田中一光

カメハメハのフランク・ロイド・ライト

百万都市・江戸の暮らしから学ぶこと

“食欲は理性に従うべし” 礼拝堂の様な・・・

障子で住まう

桜並木の家[信貴山の棲居]

WORKS

c0175075_1827777.jpg







日用の住宅考WEBマガジン“Daddy's athome”
by knaw | 2013-02-22 23:11 | ♪度々の旅

なんでしょう?

c0175075_1956116.jpg

これはどこでしょう?何なんでしょう?
復元工事が昨秋に完了して1914年の竣工当時の姿がよみがえった
東京駅丸の内駅舎。辰野金吾設計による鉄骨煉瓦造の建築です。
上の写真は南北にあるドームの天井を見上げたところ。(写真は南ドーム)

以前、昼間の写真もアップしましたが、ライトアップされた赤レンガも
美しいです。土曜日に東京へ行った帰りに撮影。

c0175075_19585967.jpg
c0175075_19591741.jpg



HELP ただいま募集中!


奈良の近代化遺産展⇒奈良市役所会場が1月15日からスタートしました!


奈良が生んだ世界的デザイナー・田中一光

カメハメハのフランク・ロイド・ライト

百万都市・江戸の暮らしから学ぶこと

“食欲は理性に従うべし” 礼拝堂の様な・・・

障子で住まう

桜並木の家[信貴山の棲居]

WORKS

c0175075_1827777.jpg







日用の住宅考WEBマガジン“Daddy's athome”
by knaw | 2013-01-16 20:03 | ♪度々の旅

醤油の匂いのするまち

ちょっと用事があって和歌山まで行ってきました。
時間に余裕があったので(というか、余裕をつくるため早く出発
したのだが)和歌山県で唯一の重要伝統的建造物群保存地区
ある湯浅に立ち寄りました。

c0175075_18574762.jpg

湯浅は漁港のまちでもあり、熊野参詣道が街の中を通り抜ける交通・流通の
拠点でもあったので古くから繁栄した町だったようです。
重伝建に指定されているエリアは参詣道筋ということでもなく、港周辺でも
なく北町通りという通りを中心とした町家群。
本瓦葺きの旧い町家が並ぶ細い通りに入りこむとプ~んとお醤油の匂いが
漂ってくる。そう、ここ湯浅は醤油醸造の発祥地として知られていて、
いまも伝統的な醸造法で醤油作りを行っている。朝早かったので、まだ
帳が降りたままの町家がほとんどでしたが、逆に観光客が居らず、
町のひとたちが、さぁ今日もがんばろかという感じでそろそろ動きだすころで
静かに佇んだ町並みの風情がしっかりと愉しめた訳です。
さて、この重伝建地区の詳しいリポートはまた今度として、伝建地区以外でも
気になる建物がけっこうありました。
湯浅の町の玄関口でもるJR湯浅駅は昭和3年3月竣工の木造駅舎。
造改修されてはいますが、昭和初期の鉄道駅舎の趣きを感じさせる近代化
遺産建築です。改札のある待合ホールはレトロな雰囲気がしっかりのこっていて
竣工当時の意匠形態に再生したら湯浅の顔になると思うのですが・・・


c0175075_1993514.jpg
c0175075_1995653.jpg

町のなかにはレンガ積みの塀にアーチの門の建物がありました。
主屋はこれも立派な本瓦葺きの和風建築。伝建地区の建物もほとんどが
本瓦葺きだったし、産業町として栄えた歴史があるから、やはり皆裕福だったん
でしょうね。さてこのレンガアーチのゲートをくぐるとこの建物はなんだと思います?

答えはお風呂屋さん。銭湯でした。中も見てみたいね~

HELP ただいま募集中!


カメハメハのフランク・ロイド・ライト

百万都市・江戸の暮らしから学ぶこと

“食欲は理性に従うべし” 礼拝堂の様な・・・

障子で住まう

桜並木の家[信貴山の棲居]

平屋の暮らしを愉しむ

WORKS


第3回いこま国際音楽祭


c0175075_1827777.jpg







日用の住宅考WEBマガジン“Daddy's athome”
by knaw | 2012-09-02 19:30 | ♪度々の旅

東京中央停車場

太平洋戦争の時、東京の空襲で焼け落ちた東京駅丸の内駅舎の3階部分と
ドーム屋根が、東京中央停車場として辰野金吾の設計により、大正3年に
竣工した当時の姿に復元する工事が続いていますが、外観はほぼ完成して
足場もとられて全容が姿を現していました。丸ビルの前から撮っても長すぎて
(300m超)写真に全景が写りません。

c0175075_17553772.jpg

c0175075_17561863.jpg

日本の近代化遺産として代表的な歴史的建造物であり、さすがに威風堂々と
した佇まい。威厳があるというか質実剛健。外壁の赤レンガと窓枠・化粧柱の
花崗岩の白のコントラストが印象的です。
内部も含めた完成がことしの10月の予定とのこと。
どうせなら名称も創建当時の「東京中央停車場」というレトロな名前に
変更したらいいのにね。
できあがったら、じっくり見学に行き、できればまだ泊まったことの無い、
駅舎の中にある「東京ステーションホテル」で宿泊したいと目論んでいるのです。

道を挟んだ反対側では、これまた近代モダニズム建築の傑作で、吉田鉄郎の
代表作のひとつ東京中央郵便局がファサード建築としてその一部を保存され、
高層ビルの低層部として活用された再開発ビルが姿を現しています。
建築本体の工事は完成したと先般ニュースにも取り上げられていましたね。

c0175075_1873092.jpg

このような保存の仕方には賛否両論がありますが、何もかも取り壊して
しまうことを思えば、こんな形でもその顔が残り後世に伝えられていくのは
決して無意味ではないと思います。
できれば同じ吉田鉄郎の設計した大阪の中央郵便局も、何らかの形で、その
価値を遺してもらいたいものです。

関連⇒「あぁ、焼き鳥にされた・・・」


障子で住まう

桜並木の家[信貴山の棲居]

平屋の暮らしを愉しむ

“天然蒸留水=雨”について考えよう

生物多様性の生活空間・場所~田園住宅のススメ

WORKS



c0175075_1827777.jpg







日用の住宅考WEBマガジン“Daddy's athome”
by knaw | 2012-07-15 18:17 | ♪度々の旅