奈良県の一級建築士事務所 (建築設計事務所) 中尾克治建築設計室のブログ 建築設計監理・家具デザイン・庭園デザイン


by knaw
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カテゴリ:♪設計コンセプト( 1 )

「山路を登りながら、こう考えた。知に働けば角が立つ。情に棹されば流される。
意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。住みにくさが高じると、安いところに
引き越したくなる。どこに越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらする
唯の人である。唯の人が作った世の中が住みにくいからとて、越す国はあるまい。~略~
越す事のならぬ世が住みにくれば、住みにくい所をどれほどか、寛げて、束の間の命を
束の間でも住み良くせねばならぬ。ここに詩人という天職ができて、ここに画家という
使命が降る。
あらゆる芸術の士は人の世をのどかにし、人の心を豊にするがゆえに尊い。」
                                         夏目漱石『草枕』より
漱石が言うように芸術は人間の魂の救いです。建築は純粋芸術ではないけれど、
建築家の職能は「草枕」に謳われている“芸術の士”に通じるところがあります。
その源となるのは風景であり、風景をかたち作っているのが日々の暮らし。
最も広く考えれば、我々の生活の集積が風景となって現前していることは言うまでもなく、
身近な住風景の時間的堆積が風土を成していきます。
日々の生活を内包する住まいは人間の心を支える母であり、精神を鼓舞する父でも
あります。いかに世の中が変わろうとも、人が美しいと思える景色、心安らぐ暮らし、
気持ちをリフレッシュさせる空間を希求することに変わりはありません。
それらを満足する住まいとはどんなものでしょうか。それは肩肘張った特別なものでなく、
いつの時代でも普遍に通じる至極明快な“普通の家”だと思います。
造形表現の差異を過剰に強調したデザインにとらわれることなく、最新の技術や設備に
頼り切ることなく、時代の潮流に流されることもなく、その家に暮らす人の目線で
身の丈にあった“普通”の住まいを考えたいと思います。


“暮らし”と“場所”と“時間”の開放する  いい家づくり10の目標とポイント

・ お仕着せの暮らしをさせない身の丈にあった家
・ 暮らしの変化に対応できるあいまいで融通がきく家
・ 道や隣家に対し気配りができている町並みに馴染んだ家
・ 四季の移ろいを感じる自然を活かした家
・ 風通しよく陽当たりのよい冬暖かく夏涼しげな家
・ 拠り所となる中心があり住み手にとって愛着がもてる要素がある家
・ ひとつ屋根の下の感じがするのびやかでおおらかな家
・ 身だしなみを整えた清楚で慎ましやかな家
・ 土地を有効に使い土地の特性をうまく活かしてしる家
・ 構造と技術を感じるシンプルで明快な家


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by knaw | 2008-08-21 16:00 | ♪設計コンセプト