奈良県の一級建築士事務所 (建築設計事務所) 中尾克治建築設計室のブログ 建築設計監理・家具デザイン・庭園デザイン


by knaw
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<   2012年 07月 ( 5 )   > この月の画像一覧

東京中央停車場

太平洋戦争の時、東京の空襲で焼け落ちた東京駅丸の内駅舎の3階部分と
ドーム屋根が、東京中央停車場として辰野金吾の設計により、大正3年に
竣工した当時の姿に復元する工事が続いていますが、外観はほぼ完成して
足場もとられて全容が姿を現していました。丸ビルの前から撮っても長すぎて
(300m超)写真に全景が写りません。

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日本の近代化遺産として代表的な歴史的建造物であり、さすがに威風堂々と
した佇まい。威厳があるというか質実剛健。外壁の赤レンガと窓枠・化粧柱の
花崗岩の白のコントラストが印象的です。
内部も含めた完成がことしの10月の予定とのこと。
どうせなら名称も創建当時の「東京中央停車場」というレトロな名前に
変更したらいいのにね。
できあがったら、じっくり見学に行き、できればまだ泊まったことの無い、
駅舎の中にある「東京ステーションホテル」で宿泊したいと目論んでいるのです。

道を挟んだ反対側では、これまた近代モダニズム建築の傑作で、吉田鉄郎の
代表作のひとつ東京中央郵便局がファサード建築としてその一部を保存され、
高層ビルの低層部として活用された再開発ビルが姿を現しています。
建築本体の工事は完成したと先般ニュースにも取り上げられていましたね。

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このような保存の仕方には賛否両論がありますが、何もかも取り壊して
しまうことを思えば、こんな形でもその顔が残り後世に伝えられていくのは
決して無意味ではないと思います。
できれば同じ吉田鉄郎の設計した大阪の中央郵便局も、何らかの形で、その
価値を遺してもらいたいものです。

関連⇒「あぁ、焼き鳥にされた・・・」


障子で住まう

桜並木の家[信貴山の棲居]

平屋の暮らしを愉しむ

“天然蒸留水=雨”について考えよう

生物多様性の生活空間・場所~田園住宅のススメ

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日用の住宅考WEBマガジン“Daddy's athome”
by knaw | 2012-07-15 18:17 | ♪度々の旅

生産緑地

今年は雨が多くて水田の水管理も比較的楽。
うちの水田は減水が多いほうで、ひどい時は満水にしてあっても
翌日、見に行くと土面の高いところは土が顔を出していたりする。
除草効果を高めるために深水にしておきたいのに、ザリガニなんかが
畦畔に穴をあけて、そこから漏水していたりするみたいですね。

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さてさて今年、生産緑地の追加指定の案内があったので先週、市に
届出を出してきました。
生産緑地というのは、市街化区域内にある農地を計画的かつ永続的に
農地のまま保全するために行政側の決めた条件に基づき選定して
指定してもらう事。生産緑地として指定されると固定資産税などの
優遇措置があるかわりに、一定期間、勝手に他の用途に農地を
転用したりできない決まりがあります。つまり、これから先もずっと
農地にまま耕作地として利用していこうと考えている人は、結構、
この制度を活用しているようです。
我家の農地はいままで、この制度に届出を出したことは無かったのだけれど
この度、初申請。はたして指定されるか否か。

障子で住まう

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日用の住宅考WEBマガジン“Daddy's athome”
by knaw | 2012-07-15 17:41 | ♪百姓に目覚め至極満足に暮らす

和紙と暮らす

建具改修現場の障子ができた。前に紹介した吉野の手漉き和紙を太鼓貼りで貼った
吊式の紙貼り障子です。

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組子のデザインで遊ばず、和紙のサイズに合せて組子割を決めてひと枡ごとに
手漉き和紙を貼り込んだシンプルな姿形にしています。この家はコンクリート打放しの家で
リビングは大理石貼りというテイスト。ごく一般的な感覚ではそんな空間に和紙障子と
いうのはミスマッチと思うかも知れませんが、決してそんなことは無いと思うんですね。
障子を使うとすぐ和風ですねとか言われるけど、和とか洋とか単純な判断で選んでいる
のではないのです。

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紙貼障子というのは光をコントロールする道具として大変優れていて、和紙に透かされた
光は優しく散光し、淡く室内を包み込みます。光の方向によっては影が写り込み、障子の
向こうの気配を感じ取ることもできる。自然紙だから調湿機能をもっているし断熱効果が
高いという利点もあり、開閉によって重なった和紙で光の強さも変わり風景も呼び込むことが
できる。大変優れた建具であることは古今いろんな建築家たちが既に証明して来ました。

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光のコントロールが障子の最大の魅力であることはそんなところですが、今回の様に
手漉き和紙を使用するときのもうひとつの小さいけれど大切は魅力があって、それは“耳”。
和紙の“耳”というのは紙の端っこのこと。機械で裁断したシャープなエッジではなくて、
漉き簀の端に当たってモケモケというかモヤモヤ(表現が難しい)となった端部のこと。
これを活かさなくちゃ、せっかく手漉き和紙をオーダーした意味が無くなってしまうといって
過言ではない。四方向全てに耳が付いている和紙を「四方耳付き」と言うのですが、
今回の素材はその「四方耳付き」の紙。基本的に和紙サイズに合せて組子割を決めたと
いっても、それは縦の割付で、高さは全ての部屋、全ての窓共通だったからよかったけど、
横は窓ごとに違ったので建具幅に合せて、和紙に水を付けて手ちぎりするのです。
手間をかけてもらった分、愛着も高まります。

かつて日本の家は木と紙でできていました。植物に由来する素材は建物を呼吸させ、
湿度や温度を調整していた訳ですね。家も生きているんですね。生きたものは世話がかかる。
世話がかかるほど愛すべき存在になる。これ自明の理。


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by knaw | 2012-07-13 09:09 | ♪建築現場から

若い頃の提案

記憶が正しければ、ちょうどひとまわり昔。今年は年男だから、この提案も辰年のとき。
『MUSIC CEAR-音楽療法による現代人の癒しの場所』というタイトルを付けていた。
お題は河川敷の都市公園に診療施設を併設したコミュニティスペースを計画しなさい
という実際には建築されない架空のアイディア提案コンペだったように思う。

音楽の力で、ストレスにまみれた現代人のこころに潤いを与えるというのをテーマに据え、
川の水面や公園の緑という視覚的な潤いのアイテムと音という聴覚を融合させようと・・・
今となっては穴が有ったら入りたいと思うような稚拙なプランとデザインの提案。

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音という形の無いものを建築という形の有るものに置き換えて表現するのに、グランド
ピアノの形をしたフラットルーフの芝屋根の人工地盤の下に五線譜を模したガラス張りの
ルームが等間隔で5つ挿入されているという、何と言うか、芸の無い陳腐な提案でした。
オハズカシイ

プレゼンボードもB1サイズという規定をやぶってブランドピアノ型のボードにして(面積が
B1と同じ、だからOKでしょうという勝手な理屈)、講評のプレゼンの時、審査員の先生方
からは、なぜ音楽を形で表現するとグランドピアノなんだ?その辺が安直過ぎるんだよ!
というツッコミをだいぶ受けた。(それでも優秀賞に入選して頂きました。ありがとうございます)
今見直してみると、なんでこんな事してんのかな?何を考えてんねんやろと思う所も
あるのですが、「あ~、オレのやることやな~」と思うところもあり、今でも似たような処理や
考え方をしていることも多い気がします。

良くとれば一貫した物事の考え方がある。悪くとれば何も成長していない!?
どっちでも良いけど、どちらも正しい気がする。前を向いて突き進むのは大事ですが、
ときどき後ろを振り返ってみるのも大切な事があるかもしれません。

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by knaw | 2012-07-13 06:23 | ♪僕の失敗学

足かけ3年

おととしの夏、当時我家にやってきた盲導犬パピーのフェル君を
つれて軽井沢に避暑に行った時、追分にある平岡篤頼文庫に寄ったの
ですが、その時文庫にある書庫で娘が「自分の部屋もこんなふうに壁面
全部が本棚になっているようにしてほしい!」というので、よっしゃ!
がんばって勉強するんやったら作ったろという事で約束したのですが、
そのままズルズルと・・・
いつになったら本棚作ってくれるん?と娘に詰め寄られ、もうちょっと
待ってくれと言いつつ、一年が過ぎ、二年になろうとしていましたが、
ご覧の通り、収納棚が出来ました。極力、安くて簡単に、そして
必要とあらばいつでも簡易に撤去できるようにというディテールと構造。

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ふたりの娘の部屋の真ん中でカーテンだけ吊るしてエリア分けしてた所に
衝立の様にオープン棚をしつらえた訳です。カーテンの向こうの妹のスペース
からでも使おうと思うえば使える。
子どもの部屋なんて、こんな程度で充分。
よく、住宅の計画で「我家は子どもが3人だから、それぞれ同条件の個室を
3部屋ほしい。そして南に面した陽当りがよくて・・・etc」なんてリクエストが
ありますが、そんな必要は無いと思うのですね。
日中、健全な子どもたちは陽当たりの良い部屋でのんびりしてませんよ。
勉強するにしたってポカポカ陽当たりが良すぎると、ついウトウトしてしまいます。
家を建てる時、そんな部屋を子どもに与えたという事で親としての
責任を果たした気分になっているとツーレツに批判したのは、在りし日の
建築家・宮脇檀さん。まさに宮脇さんのおっしゃるとうりなのだ。

平岡文庫にあった書架はこんな簡易なものじゃ無くて、シナランバーコアの
棚板で小口は桧の大手貼りで、棚受にはスガツネのエレメントシステムを
使用してあった。決して、高級では無いけれど、品よくシャープでかっこ良い
書架が整然と並んでましたね。なんてったてその書庫を設計したのは
内藤廣さんだから。内藤さんの事務所の設計で最も小さい建築だそうです。(8坪!)
素敵な建築だから、追分に行かれたら、ぜひ立ち寄られることをお薦めしときます。

平岡篤頼文庫からは毎年、年賀やイベントがあるごとに案内を送って
下さいます。我家の娘の書架が完成した日に偶然にも素敵な絵葉書が
届いたのでした。

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雑木林の緑の中でベンガラ色のステイン塗装の小さな書庫が生えています。

最後にちょっとネタばらしというか、真相を白状というか・・・
いかにも父親が可愛い娘のために一生懸命、日用大工をやったような体の
内容ですが、実のところはなかなか、このまかない仕事をやらない僕を見て、
孫娘をフビンに思ったおじいちゃんがホームセンターで材料を買ってきて
つくってやろうと思った矢先、病に倒れ、その後も作業場で埃がかぶっていた
材料を邪魔になるからと、おじさんに当たる大工さんが手伝ってくれて、
やっと日の目を見たというのが本当のところ。
娘いわく、「結局、おとうさんはほとんど何もしてないやん!」
まさに子どものおっしゃるとおりなのだ。

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